秋黴雨(あきついり)

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こんにちは岡本です。

お蔭さまで「麹でロハス推進会」は、

今月11日に創立12周年を

迎えることができました。

これもひとえに日頃より応援してくださる

麹士の皆さまのお力添えのおかげと、

心より感謝申し上げます。

13年目も、日本の麹文化を広め、

皆さまの暮らしに健康と笑顔をお届けできるよう、

歩みを進めてまいります。

『一緒に明るい未来を創造していきましょう。』

さて本題です。

季節の変わり目ですね。

全国的に秋雨前線の影響で雨模様の日が

続いています。

俳句の世界には「秋黴雨(あきついり)」

という季語があり、

長雨によって黴(かび)が生えやすくなる

この時期を指します。

小泉武夫先生の本では

江戸時代の人々にとって「黴(かび)」は、

必ずしも忌み嫌う存在ではなかったと

書かれています。

今日では「黴びる」と聞くと食品が傷んだ

イメージが先に立ちますが、

当時は「熟成して旨味が増す」という

肯定的な意味でも用いられていたということです。

例えば、味噌や醤油、漬物など、

黴や酵母の働きで風味が深まることを

「黴びて美味くなる」と表現したそうです。

日本語の「黴」という言葉には、

腐敗と発酵の両面を含む独特のニュアンスが

宿っているのですね。

良い黴を見極め、育ててきた日本人の感性は

現代の私たちが麹黴を「国菌」として誇る背景に

つながっています。

これからの季節の麹造りは

夏ほど高温で暴走せず、

冬ほど冷え込みもないため、

落ち着いた麹造りができますし

お味噌の仕込みにも良い季節ですね。

自家製麹で様々な発酵食愉しんでください。

(参考:小泉武夫『日本発酵文化論』講談社学術文庫)

🔸 製麹ワンポイントアドバイス

この時期は昼夜の寒暖差が大きくなってきますので

保温時は温度計をこまめに確認し、

手入れ以降は製麹箱の通気窓を開けて

品温の暴走や蒸れを防ぐよう心がけましょう。

特に麦麹づくは2回目の手入れ時は

必ず品温を30℃以下まで落として引き込み

その後出麹までは製麹箱の上下の通気窓を

全開にしてください。

2回手入れを行うと出麹歩合は当然ですが

水分が抜けたことにより

10%以下になりますが問題ありません。

玄米麹造りも手入れ後は上蓋の通気窓を出麹まで

全開にして蒸れを防ぎましょう。

今回は以上です。

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