世界最古のバイオビジネス『種麹屋』

今さら聞けないシリーズ

こんにちは吉田類さんの酒場放浪記が好きな岡本です。

今回は好評の『今さら聞けないシリーズ』です。

こんなシリーズあったかいな?

世界最古のバイオビジネスといわれている日本の

種麹メーカーは、どのようにして私たちに

種麹を提供してくれているのか追ってみましょう。

まずは種麹の歴史です。

弥生時代から室町時代前期(約700年前)までは

稲麹を利用して麹造りがされていましたが、

徐々に友麹法(ともこうじほう)へと移っていきます。

稲麹とは写真のように稲が実るころに稲の穂にできる

深緑色のカビの塊のことで

オリゼーも一部含まれているそうです。

また友麹とは出来の良い麹を10%ほど使って新たな麹を

造っていく方法ですが

安定した麹造りではなかったようです。

そして室町時代後期(約600年前)に現在の種麹が誕生し

安定して麹が生産されるようになっていきます。

さて種麹の作り方です。

① 1日目3分づきの米を使います。

② 浸漬

③ 水切り

④ 蒸米

⑤ 冷却

⑥ 種付け

麹造りと同様の工程です。

⑦ 2日目も同様です。

⑧ 3日目通常の麹造りは48時間ほどで出麹ですが

⑨ 4日目発酵

⑩ 5日目発酵

⑪ 6日目種麹造りは約120時間(5日間)かけ出麹を迎えます。

⑫ さらにここから約2日間乾燥させます。

⑬ 8日目にようやく種麹が完成します。

大変な労力ですね。

種麹には、粒状と粉状タイプがあります。

粒状タイプは主に酒蔵で日本酒造りや焼酎造りに使用され

お米に麹菌の菌糸、胞子がついたものです。

粉状タイプは皆さんが使っているもので麹菌の胞子のみの物

若しくは

胞子と増量剤(でんぷん粉等)を混ぜたものです。

またそれぞれにオリゼー、ソーエ、アワモリがあり、

全国の数千件ある醸造メーカーに10社ほどの種麹屋さんから

種麹が提供されているということです。

私たちが麹士講座で使用している、京都の「菱六」さんは、

創業300年以上の歴史を持つ、現存する最古の種麹メーカーの

ひとつですが、その他の種麹屋さんも一子相伝で

代々受け継がれてきた独自の技術と哲学により、

今日もなお、優れた麹菌が育まれ続けています。

種麹メーカーは、自然の中に存在する“見えない生命”である

麹菌を、選別し、育て、安定して供給する役割を果たしています。

これは、まさに微生物を活用した

「バイオテクノロジー」の始まりであり、

「世界最古のバイオビジネス」と

称されるゆえんでもありますね。

日本の誇りである麹造りに携われていることに感謝です。

ではまた、

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