Q&A 甘酒の変色について

Q&A

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

今回はよくあるご質問にお答えするQ&Aです。

先日、麹士さんから甘酒造りに関しての

ご質問をいただきました。

「甘酒をいつもの通りに造ったところ、

白くならずグレーっぽい色になってしまいました。

原因は何でしょうか?」

この甘酒がグレー色になるという現象は、

いくつかの要因があります。

①保温中の攪拌不足

酵素が均一に働きにくく、

部分的に分解が進まないことがあります。

保温温度55℃ですが実際の内部温度が

安定していなかった場合も、色味に影響します。

②材料の不具合

米麹の出来が悪い場合は、

酵素が不足して糖化が十分に進んでいない場合

または

ご飯が乾燥していて全体の水分が不足した場合

③仕込み水の影響

仕込に使用する水に含まれるミネラル(微量金属)は

出来上がりの甘酒の色に影響します。

米麹に含まれるポリフェノール様成分やアミノ酸が、

鉄イオンなどと結合すると、

灰色〜くすんだ色調(グレー・薄茶)になりやすいのです。

これは食品化学的にもよく知られた反応で、

味に大きな問題がなくても「色だけが濁る」ことがあります。

「色だけが白くならない」という現象は、

実は水質の影響を受けているケースが少なくありません。

ここで思い出していただきたいのが、

日本酒造りにおける仕込み水の重要性です。

酒蔵では古くから

「酒の良し悪しは水で決まる」と言われ、

鉄分を嫌い、軟水か硬水かによって酒質が

大きく変わることが知られています。

鉄分は着色や劣化の原因となり、

酵素や酵母の働きにも影響を与えるため、

酒造用水における鉄分の基準値は

水道水よりも厳しく、0.02ppm以下

(できれば検出されないのが望ましい)とされ

仕込み水は非常に厳密に管理されています。

『銘水ある所に銘酒あり』ということです。

今回の麹士さんの使用された仕込み水は、

日ごろから使っている浄水器のお水で

今まではそのような事はなかったということですが、

フィルターの状態などや

水道水でも日によって又は時間帯によっては

水圧によって配管内の鉄分の溶解量は違うようです。

『次回は講座でも使用しているサントリーの

ミネラルウォーターで造ってみてください。』

とお返事させていただきました。

後日ミネラルウォーターで仕込んだところ

以前のような白い甘酒ができあがったとの

ご報告をいただきました。

今回の甘酒づくりに限らず発酵食品造りは

「レシピ通り」でも、素材・水分・温度・

造り手の意識状態の微差が結果に現れます。

発酵食品造りには失敗はなく

「どこを見直せばよいか」を教えてくれる大切な

メッセージですね。

今回は以上です。(岡本)

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