こんにちは岡本です。
空梅雨から一気に猛暑日の真夏に
なってしまいましたが皆さん体調は
大丈夫でしょうか?
さて今回は手作りお醤油のご質問を
シェアしたいと思います。
今年の薬膳麹士講座で仕込んでいただいた
本醸造の濃口醤油とノングルテン醤油に関して
最近特に多いご質問です。
『表面に産膜酵母ができてしまい、取り除いても
すぐにまた出てきてしまうのですがどうすれば
いいですか?』
お答えします。
まずはこの産膜酵母ですが
醤油造りにおいて、昔ながらの解放型発酵槽で
熟成を進める際に産膜酵母(膜状酵母)が表面に
形成されるのは、『自然な現象です。』
産膜酵母は、空気に触れることで醪(もろみ)の
表面に膜を形成する酵母で、
伝統的な醤油醸造ではよく見られますので
特に悪い現象ではないということを
まずはお伝えします。

表面の白く見える部分が産膜酵母です。
産膜酵母が醤油に与えるメリットとデメリット
●メリット
産膜酵母は、醪(もろみ)の表面で酸素を
利用して増殖し、
膜状の層を形成します。
これにより、醪が空気と直接触れるのを防ぎ、
酸化や雑菌の繁殖を抑える効果があります。
●デメリット
産膜酵母が過剰に増殖すると、
醤油の風味に影響を
与えることがあります。
特有の香り(アルコール臭やエステル臭)が
強くなったり、味にわずかな苦味や雑味が
加わることがあります。
◎対策として
産膜酵母が過剰に増殖することを
抑える方法として
櫂入れ(醪を攪拌)を行います。
産膜酵母が過剰に増殖すると攪拌しようとしても
膜が張って混ざっていきませんのでその場合は
その膜を取り除いてください。


上記の2枚の画像程度の産膜酵母でしたら
攪拌して混ぜ込んで良いです。
櫂入れによって産膜酵母を醪に混ぜ込むことは、
伝統的な醤油造りでは
一般的な手法ですので問題ありません。
これにより、産膜酵母が醪全体に分散し、
局所的な風味の偏りを防ぎます。
また、櫂入れは酸素を供給し、
好気的な発酵を促進します。
醪全体の発酵が均一に進み、
雑菌の繁殖を抑える効果も
期待できます。
これから室内でも30℃を超えてしまう時期は
定期的に(数日に1回)櫂入れを行い、
醪を均一に保つようにしてください。
または暑い9月までは冷蔵庫で熟成を
緩めていただいてもいいです。
半年後美味しいお醤油になるよう
頑張って気にかけてあげてください。
今回は以上です。
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