こんにちは岡本です。
今回は自家製醤油のご質問があったので
皆さんとシェアしたいと思います。
今年も薬膳麹士講座の実習では自家製醤油を
2種(本醸造濃口醤油、本醸造ノングルテン醤油)
仕込んでいただいています。
こちらでも一緒に仕込んだものがありますが
仕込日が2月16日ですので約3か月ほど
経過しています。

現在の「諸味(もろみ)」の状況としては、
乳酸菌が徐々に増えはじめ、乳酸発酵を行っている
段階です。
今回のご質問は
『表面が白くなってきたのですが
これはカビですか?』ということでした。

結論からいうとこれはカビや産膜酵母ではなく
「タンパク質や脂質などが沈殿前に浮き上がり、
表面で固まってきたもの」です。
熟成の初期~中期(2~5か月)で
このような現象がよく起こります:
大豆由来のタンパク質分解物や脂分が
表層に集まって温度変化や空気接触によって
うっすら凝固した状態です。
カビであればカビ臭があり
緑・黒・オレンジなどの色が
混ざっていますし、
産膜酵母であればスプーンで触って
みると膜になっています。
しっかりと混ぜ込んでいただければ大丈夫です。
もう一つカビと間違えやすいのが
この時期に発生する塩析(えんせき)です。

現時点での自家製醤油の写真でわかるように
大豆の周りに白いものが見えます。
これが塩析です。
塩析とは塩分の影響でタンパク質が凝固して
白っぽく固まる現象で
発酵初期〜中期に大豆表面に多く見られ
発酵熟成が進むにつれてなじんでなくなって
いきますので問題ありません。
自家製醤油はこれから乳酸菌から酵母へと
発酵の主役が交代していきますが攪拌は定期的に
行って酸素を充分諸味に入れてあげてください。
またこの時期になると水分が減ってくるので
当初の位置までミネラルウォーターを
注ぎ入れてあげてください。
私も引き続き自家製醤油しっかりと見守って
いきたいと思います。
今回は以上です。
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